12月定例会一般質問②多様な人材の登用とマネジメントについて

一般質問

質問 黒川
自治体職員の環境と質についてお尋ねしたいと思います。
総務省が公表している「地方公共団体における多様な人材の活躍と働き方改革に関する研究会」のレポートによりますと、

平成27年8月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(いわゆる「女性活躍推進法」)が成立し、各地方公共団体は、女性活躍に関する定量的目標や取り組みなどを定めた「特定事業主行動計画」の策定が義務付けられたのち、同年12月には、「第4次男女共同参画基本計画」が閣議決定され、都道府県・市町村それぞれについて女性職員の登用の目標が設定された。また、平成28年4月に施行された「能力・業績に基づく人事管理の徹底を図る「地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律」(いわゆる「改正地方公務員法」)により、各地方公共団体は、能力・業績に基づく人事管理の徹底を図る人事評価制度の導入が義務付けられることとなった。さらに、年金支給開始年齢の段階的引上げに伴う、再任用の実質的な義務化や臨時・非常勤職員の活用拡大等、近年において、公務を支える職員は多様化している。」

との見解が示されています。

こういった時代の流れにあっては、国民・市民が捻出した税金や拠出金を元手に運営される自治体の職員の質を高めるとともに、多様性を認め合える寛容な社会の実現に寄与されたいと思うところであります。また、女性活躍推進の大きな社会的ムーブメントの中にあって、本市におきましては実際に、市内外で活躍されている女性の姿も多くみられますし、本市職員の採用において多様な人材を確保するため、男女を問わず様々な採用試験を実施していると聞き及んでおりますが、一方、役所の管理職人事や議員は、未だ女性が圧倒的に少ない状況です。適材適所は男女ともに大切なことでありますが、社会のしくみとして鑑みた時に、女性職員が昇任を躊躇するような職場環境や状況が続いた場合、自治体として必要とする幹部職員を十分育成・確保できなくなるおそれがあるほか、政策の意思決定に女性の視点が反映されにくくなるなど、自治体経営上の問題が生じる懸念が出てまいります。また、一般事務だけでなく、保育、給食調理、図書館職員、看護師・看護補助員、学童保育、ケースワーカーなどの多岐の職種に広がる非常勤職員の処遇についても、多角的に考慮していく必要があり、昇任実績のある女性職員がまだまだ少ない現在、ロールモデルになる職員の育成にも今のうちから取り組まなくては、他に遅れを取るだけでなく、最悪間に合わないといった事態も考えられます

そこで、多様な人材の採用と登用についての本市のお考え、また、女性職員の登用と育成の認識、その取り組みについて、お聞かせください。

答弁 総務部長
(多様な人財の採用と登用についての本市の考えについて)
採用に関しましては、正規職員の一般事務職の採用試験において、これまでの筆記試験を試験科目とした採用方法を基本としつつ、従来の方法では採用できなかった多様な人財を採用するという観点から、スポーツや文化学術の分野での実績や青年海外協力隊などでの国際貢献活動の経験を受験資格とした「特別枠」や、民間企業等での職務経験を受験資格とした「民間企業等経験者枠」を設け、面接重視の手法で多種多様な人財の採用に努めているところでございます。
また、登用につきましては、これまでに家庭の事情などにより働き方が制約され能力を十分に活用できなかった職員に対して、働きやすい職場環境を整え、男女を問わず能力に応じた職に登用することが必要であると考えております。

(女性職員の登用と育成についての認識について)
今治市においては、平成28年3月に「特定事業主行動計画」を策定し、計画の中で「ワーク・ライフ・バランスの推進」「子育てと仕事の両立推進」「女性職員の活躍推進」の3つの基本方針とそれぞれに数値目標を設け、具体的な取り組みを実施しております。
その中で「女性職員の活躍推進」については、3つの数値目標を設けております。1つ目が「上級試験における女性職員の採用割合を30%程度」、2つ目が「係長級に占める女性職員の割合を20%以上」、3つ目が「課長補佐級以上の管理職員に占める女性職員の割合を10%以上」とすることとしており、いずれも期限は平成32年度末に設定しています。
これらの目標についての平成30年度の状況は、女性の採用割合は30.6%、係長級の女性割合は20.7%、課長補佐級以上の女性割合は9.9%となっており、概ね達成が可能な状況でございます。
一方で、「第4次男女共同参画基本計画」国(政府)が設定した成果目標は、平成32年度末までに係長級の女性割合が35%、課長級以上の女性割合が20%であり、達成にむけては今後も女性の登用を進める必要がございます。
女性職員の活躍推進に関する具体的な取り組みとしては、女性職員を対象とした「女性ブラッシュアップ研修」を実施し、ライフプランに応じたキャリア形成支援等を行ってまいりました。また、今年度からは女性の活躍を支援する立場にある管理職員に対して「女性活躍支援研修」を実施しております。そのほか、出産、育児期の支援については、支援制度を網羅したガイドブックを作成し、個人の事情に応じた制度を利用できるよう取り組んでおり、さきほどのご質問にもありました「ひめボス」の取り組みもその一環であると考えております。
こうした取り組みを継続し、発展させていくことで、女性のみならず多様な人財を開発し、様々な価値観に対応できる組織体制を構築してまいりたいと考えております。

発言 黒川
日本は戦後、経済や自分達の暮らしを立て直すために、皆が一丸となってがむしゃらに「経済発展」という大きなベクトルに向かって働いてきました。その結果、世界的な先進国となったわけですが、経済優先社会がもたらした少子化問題、広がり続ける格差、オイルショックやバブル崩壊、リーマンショックといった不況、また時を重ねるように起きてきた大規模な自然災害を通して、同じ方を向いてがむしゃらにやっていく時代はとうに終わり、改めてそれぞれの幸せのあり方について考え、色んな人がいるからこそ成り立つこの社会で多様な生き方を尊重し、助け合っていく時代であると気づき、そしてようやく移行し始めたところでございます。その中で、公務の運用についても時代に則した柔軟な対応が、特に近年求められるようになってきたのではないかと思います。

本市におかれましては、ご答弁にもありましたように、従来の方法では採用できなかったような多様な人材を確保するために、様々な専門的な経験を積まれた方や、筆記試験より面接重視した採用に取り組まれているとのことで、今後の行政運営にも良い影響を与えることを期待いたしております。

また、平成28年4月からの女性活躍推進法の全面施行に合わせて、本市では同年3月に特定事業主行動計画が策定されたとのことで、数値目標を掲げられておりますが、女性職員自体は増加傾向であるのに対し、昇任となるとまだまだ二の足を踏んでいるようでございます。前述いたしました「地方公共団体における多様な人材の活躍と働き方改革に関する研究会」の報告には、自治体アンケート等で女性職員が昇任を躊躇する理由として・男性職員よりも育児等家庭における負担が大きいことから仕事と家庭の両立が困難になること・仕事を両立している先輩職員が身近にいないこと・上位職に求められる能力を発揮する自信がないことが、いまだ根強く挙げられているのは残念なところです。

2017年、地方公務員法と地方自治法が改定され、2020年4月から自治体の非常勤職員は「会計年度任用職員」として制度が導入されることになっており、さらに自治体職員の処遇や働き方が変容していくことになろうかと思います。一人でも多くの職員が、憲法を遵守する全体の奉仕者として、生き甲斐をもって仕事に臨めるよう、ポジティブな意識をもって、職場環境の整備を推し進められ、ワーク・ライフ・バランスの取り組みの一つである「ひめボス」の活動も、部下とのコミュニケーションが不足しないようしっかりと現場に落とし込んでいっていただき、今治市全体の空気をともに作り上げていただけますよう、要望申し上げて私の質問を終わります。

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