12月定例会一般質問①今治市鳥獣被害防止計画について

一般質問

┃今治市鳥獣被害防止計画について

質問 黒川
おはようございます。本日は、全国的に猛烈な寒波が入り込み、朝から冷え込みも強くなっております。
インフルエンザは、まだ流行していないようですが、先月末から今月頭にかけては近見小学校での学級閉鎖も
報告されており、毎年のことではありますが注意していかなければなりません。免疫の下がりやすい時期です。皆さん、どうぞ健康にご留意下さい。

先月の話ですが、毎年11月に行われている「今治地方水と緑の懇話会」に初めて参加させて頂きました。
清水小学校5年生の皆さんと、玉川にある水源の森にて、竹を伐採したエリアでクヌギの苗木を
植栽させて頂くとともに、子ども達のキラキラした笑顔に触れ、山の環境とこれからの町の在り方について
改めて考えさせられた1日でした。

昔は、山がとても身近な存在で、人の手入れにより山に暮らす動物たちと里に住む人間の環境が
保たれていたかと思います。しかしながら、経済発展、人口減少、高齢化の時代となり、
山に人が入って手入れをする機会が減少し、山や畑が荒れることで、野生動物が食べ物を求めて
里地に下りてきて、食害のみならず、人的被害も増加傾向であることは、昨今の全国ニュースでも
周知のとおりでございます。
本市におきましても、例えば私が住んでいる島しょ部一つ取ってみましても、イノシシの話になりますが、
引っ越してきた当初から柑橘の被害はあったものの、まだ実だけもぎ取ることが多かったように思いますし、
畑の方もサツマイモの被害はよく見聞きしておりました。
ところが近年では、年中、路上や集落での目撃情報があり、果樹は枝ごと折られたり根元から痛めつけられて
木が枯死するものや、野菜についてもありとあらゆるものへの被害が拡大し、増加の一途を辿っており、
実感にあまる状況であると危惧しております。

そこで今治市が掲げております、「鳥獣被害防止計画」についてお尋ねしたいと思います。

(有害鳥獣による被害面積、被害総額及び対策に係る予算額の推移について)
先程申しましたように、ここ数年だけでも鳥獣による農作物被害が目に見えて増加していると
実感しているわけでございますが、実際のところで、今治市における鳥獣による被害面積、
農作物の被害総額及び、その対策に係る予算額、これを過去5年間の推移からお示し下さい。

答弁 農水港湾部長
農作物の被害面積につきましては、過去5年間は約22から37ヘクタール前後で推移しており、増加傾向になります。被害金額につきましては、過去5年間は約4,200万円から5,700万円ぜんごで推移しており、同じく増加傾向にあります。鳥獣害対策に係る予算額につきましては、昨年度までは、5,000万円ぜんごで推移しておりましたが、今年度は増額し、5,953万7千円を計上させて頂いております。

質問 黒川
(鳥獣被害の多い地域と、有害鳥獣の種類について)
鳥獣による農作物被害の多い地域と、またその種類について詳しく教えて下さい。

答弁 農水港湾部長
平成28年度の被害金額で見ますと、陸地部では菊間地区、島しょ部では上浦地区において被害が多くなっており、鳥獣別の内訳を見ますと、イノシシが全体の約75%、次いでカラスが約12%、ニホンザルが約5%となっております。

質問 黒川
(陸地部と島嶼部における対策拠点と、取り組み内容について)
本市は陸地部と島嶼部があり、対策が広範囲になるかと思いますが、陸地部と島嶼部でどのように連携して対策を講じているのでしょうか。それぞれの対策拠点と取り組んでいる内容についてお示し下さい。
また、前述のように年々鳥獣による被害は拡大する一方で、減少する様子は見て取れません。本市が取り組まれている対策もまだ模索の段階なのではと察しますが、対策の成果と今後の課題について率直なところ、お聞かせ下さい。

答弁 農水港湾部長
今年度から、有害鳥獣対策室を新たに設置し、陸地部は本庁で、島しょ部は伯方支所を拠点とし活動しております。それぞれに有害鳥獣対策アドバイザーを配置し、各支所住民サービス課に有害鳥獣対策担当者を置き、定期的に開催する連絡会議を通して、陸地部、島しょ部の各地域での課題等を全体で共有し、地域に合ったより効果的な対策を講じているところでございます。
取り組み内容といたしましては、今年度より、市民の方からの農作物被害のご相談には、現地に赴き、防護柵の効果的な設置などの被害防除対策の助言を行うとともに、狩猟者の育成・確保といった視点から、新たに免許を取得された方を中心に、わな猟・止め刺し・解体処理方法等の技術指導や、捕獲時の安全対策の助言等を行い、捕獲技術の向上を図り、なお一層の捕獲の強化に努めているところでございます。

質問 黒川
(取り組みの成果と今後の課題について)
前述のように、年々鳥獣による被害は拡大する一方で、減少する様子は見て取れません。本市が取り組まれている対策もまだ模索の段階なのではと察しますが、対策の成果と今後の課題について率直なところ、お聞かせ下さい。

答弁 農水港湾部長
先ほど申しました各種取り組みや、農協、猟友会等の関係機関との連携を深めることにより、有害鳥獣の捕獲頭数も増加しております。最も捕獲数の多いイノシシが1,472頭で、昨年度に比べて127頭の増加となっております。しかしながら、農作物被害が減少していない状況にありますので、今後は、個人だけでなく、地域の方々と効果的な被害防除対策の話し合いを行い、地域全体で有害鳥獣を寄せ付けないための「地域環境づくり」を進めたまいりたいと考えております。

再質問 黒川
2点目の「被害の多い地域と種類について」で、イノシシの被害が約75%を占めるとのことでした。
イノシシの被害で年間を通した被害状況の概ねを教えてください。

答弁 農水港湾部長
島しょ部では、みかんなどのかんきつ類、陸地部では、稲やイモ類の被害が顕著なことから、島しょ部では10月~2月、陸地部におきましては、8月~11月が多いものと推測されます。

再々質問 黒川
年中目撃情報がある中で、被害の多い時期は陸地部と島嶼部で若干違いますが、時期に考慮しながら今後の防止策にも有効に活用して頂きたいと思います。

もう一点、再質問をさせて頂きます。対策の取り組み内容とその成果と課題についてですが、捕獲技術の向上に力を入れていることは分かりました。しかしながら、捕獲数が増えているとはいえ、狩猟者も高齢化が進み、新たな免許を取得する若い方も、普段は他の仕事に従事している中では、捕獲するにも限度があるように思います。また、本来であれば、山にいる野生動物たちは駆除する対象ではなく、山の環境や秩序を守り、人間と共存していく存在であります。ですから、人間と野生動物の棲み分けについても積極的に研究、実践を積んでいって頂きたいと切に願います。そこでお尋ねいたします。ご答弁にもありましたが、この「鳥獣被害防止計画」の中の「今後の取り組み方針」で、「集落全体で取り組む住民参画型の被害対策を進める」とあります。モデル事業の取り組みと併せて、地域住民がすぐにでも取り組める防止策があれば、お示し下さい。

答弁 農水港湾部長
まず、「モデル事業の取り組み」といたしましては、県が主体となって、平成27年度より、大西町の山之内地域において「鳥獣害を受けにくい集落づくりの支援」を行っております。
具体的には、地域住民が被害状況などを見廻り・点検し、その後、関係者が共同で一体的な防護柵を設置するなど、集落全体での被害防除に取り組んでいるところでございます。「地域住民の方がすぐに取り組むことのできる防止策」といたしましては、集落内の有害鳥獣の餌をなくすため、農作物残渣を埋めるなどの適切な処理や、隠れ場となる集落周辺の藪などを刈り払いすることにより、有害鳥獣が寄り付きにくい環境づくりが考えられます。以上です。

発言 黒川
県のモデル事業はすでに3年目ということですが、地域住民が参画しての取り組みについてはまさに「棲み分け」の実践の一つであり、期待いたします。今後は、他の地域でも行っていけるよう、しっかりとノウハウを現場に落とし込んでいって頂きたいと思います。

野生動物と共存していく道を人間が選ぶなら、集落や自然林のみならず人工林についても、維持管理が必要になってきます。本来必要な労働量に対して林業人口は12%も満たしていません。また、先般9月に発生した台風18号は、今治地方にも大きな被害をもたらしましたが、全国的にも近年起こる台風や豪雨では、山の上流が崩れることにより被害が深刻化する事例が増加傾向にあります。山の保水力、山の衰弱化が顕著に現れているのではないかと、大変危機感を覚えております。山の環境を整えることは、里の環境、海の環境、そして瀬戸内に暮らす人々にとって最重要事項の一つであると考えます。是非、本市におかれましてもそのことを真摯に受け止めて頂きまして、地域住民の環境をしっかりとサポートして頂きたいと思います。

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